「釘かなんか?刺さってるかもしれないなぁ。」
お父さんが次の休みに、修理してくれるまで、私はバス通勤になった。
朝のバスは、混んでる。
ため息をつきながら乗った。
明日は、絶対!寝坊なんてできないや。
武司君と同じ教室なんだ。
そんな事を考えてたら、ドキドキして、なかなか寝付けなかった。
「あー眠いよ。」
1番後ろの座席に、腰を下ろし真新しい、制服姿の一年生達を見ていた。
なんか、かわいいなぁ。
「ふぁー!」
再び大あくびをしていると…
「おはよう!」
目の前に立っていたのは、武司君だった。
「お、おはよう!」
どうしよう!!!
朝から、会ってしまったぁ。
大あくび、見られたかも!
恥ずかしい。
「武司君、バス通勤なんだね」
「そうなんだ!」
武司君は、吊り革に捕まってるんだけど。
バスの揺れと、ラッシュの人で武司君の足が、時々、私の足に触れるんだよね。
仕方ないんだけど…。
動揺は隠せない。
何?考えてるのぉー!
私ったら。
「美佐ちゃんは?」
武司君は、床を指差す。
「本当は自転車なんだけど、パンクしちゃって…しばらくバスなんだぁ。」
「へー!大変だね」
沢山の人込みで、武司君の声が聞き取りにくい。
早く…着いてほしいよ!
でも?
この時間が、嬉しくてたまらない。
今日は、朝からツイテる!
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