君は私の太陽だ

あっという間に、私たちのトレーの上には沢山のパンが並んだ。


もちろん、大きいメロンパンも!


「これ位かなー?誠も甘党だし…。」


愛子はやっぱり、誠先輩に差し入れなんだね!


いーなー!


好きな人の事考えながら、買い物なんて、羨ましいや。


私は、お父さんに自転車を直して貰うお礼と。

お母さんには、かず君の部屋番号を教えてもらった分も含めて、3人分を選んだ。


レジに並んだ時、愛子が小声で

「やっぱり、今日はバイトの日じゃなかったんだね?」


「そうだね…。」


もう一度、店内を見渡すけど?

武司君の姿はなかった。


レジの奥のドアから、男の人が白い作業衣を着て、パンを釜から出し入れしているけど。


武司君じゃない。


正直、会いたかったな!


話せなくても構わない。


武司君の姿だけでも?


見たかったりして!


レジの人に、愛子の分と別々の袋に詰めて貰って帰ろうとした。


「行こう!愛子!」


まだ愛子は、周りをキョロキョロ見てる。


私は、武司君が働いているパン屋さんで、買うことが出来ただけで、十分嬉しいんだから!


愛子も武司君の姿がないのを、確認すると。


「分かった!今日は、退散しよう!美佐、ごちそうさま!」


私たちは、パン屋さんを出た。


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