一目惚れしてしまった。
遅刻してよかった。
なんて事はないけど、確かに、私は武司君の目に引き込まれたんだ。
「愛子有難う!」
「どういたしまして!」
愛子のストレートの髪が、風になびく。
「カッコイイね!武司君て」
「中学の時も、モテていたからね!」
愛子とは、一年の時同じクラスで、なんでも言える親友になった。
周りからは、姐御肌タイプと言われている。
そんな、愛子とは正反対な私。
でも、一つ年上の誠(マコト)先輩といるときの、愛子の笑顔は羨ましいほどに、かわいいんだなぁ。
恋の力って凄いわけだ!!
「武司君って、彼女とかいるのかなぁ?」
私は思わず口にしてしまった。
「なんで?知るわけ…!
あー!美佐!好きになっちゃったとか?」
「ううん!まあ。カッコイイなぁって、普通に思っただけだよー」
愛子が私の顔を覗きこむ。
明らかに、頬が赤い私に、
「惚れっぽいんだよ!美佐は。」
その通りで…。
熱しやすく、冷めやすい。
みたいなんだよね!
実際、付き合い始めると、だんだん、テンションが下がってしまうんだ。
悪いって分かってるんだけど。
だから、今回も?って、愛子は思ってる。


