「昨日はごめんね!俺、渓(ケイ)っていうんだ!」


私は、顔と名前が一致しないから、覚えられるか?


分からないけど、武司君と愛子の友達だよね。


渓君の名前を頭の中で繰り返した。


「美佐の事、よろしくね!」


愛子は渓君に、言った。


「美佐ちゃん!怒ってる?」


渓君が私の顔を覗き込む。


そして、かず君達を見ながら、

「ヤキモチ妬いてるとか?」


私の顔が、明らかに、固まっていたのが、愛子には分かったらしい。


「渓?美佐はね?
あいつとは何もないんだよ。」

私は、武司君の顔を見る。


武司君は?


どうなの?


昨日のこと。

「そうなんだ!ごめんね!たださぁ。昨日、美佐ちゃんが、泣いている所俺達見ちゃったし。
武司から愛子のダチって、聞いたから、心配してたんだ!」


渓君は武司君を見ながら言った。


そうだったんだぁ。


愛子の友達だけある。


なんだか。嬉しい気持ちになった。


「ありがとう!かず君とはなんでもないの!
前は付き合っていたけど、今は友達なの。」


私は、やっと言えた。


「そう!美佐の言う通り」


愛子が、よく言ったね!って顔をしながら、


「あのさー?久しぶりに皆で遊ぼうよ!」

「いーねー!」

渓君は、ノリノリで答えた。

武司君?


さっきから、武司君の声、聞こえないんだけど。


渓君ばかり、話してる気がするんですけど。


「あー!久しぶりだしなっ」


武司君の声がしたけど…。


あんまり?


乗る気じゃないのかなー?


「相変わらず、シャイだよね!武司は!」


愛子が、笑う。

そうなんだ!

でも、何も言わなくても、やっぱり、カッコイイよ。

武司君の以外な、一面を見たような気がして私も、笑った。


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