愛子の勢いに、見事にはまってしまったかも?
「武司!先に行って!」
愛子と私はトイレだと、武司君に言って離れた。
「愛子!やり過ぎ!」
私は、トイレに入るなり、愛子に怒った。
鏡を見ながら、
「あれ位いいじゃない?昨日の事をウジウジしてたって仕方ないでしょ?」
そうだけどさぁー!
「焦るなって!言ったのは愛子だよー」
「だってさぁ…美佐の!歩いてる姿見たら、何だか、言いたくなったんだよねっ。」
そんなに、私の背中は淋しそうだった?
確かに、周りの目線は気になっていたけど…?
「いーじゃん!あいつには今、彼女がいないって、分かったんだしっ!
美佐と、かず君の事だって、伝えたんだしさ!」
そうかなー?
「もうっ!出るよ」
愛子がトイレから、出ようとした時。
個室から智美ちゃんが、出て来た。
聞かれたよね?
今の会話?
智美ちゃんは何も言わないまま、手を洗いトイレを、出て行った…!
智美ちゃんの私に向けられた目は…。
私を睨んでた。
「智美ちゃん!」
私の声は彼女に届かなかった。
「智美ちゃんじゃん?」
愛子も、分かったようだ。
いつもの、真ん丸な可愛い目の彼女。
今の目は、違う?
誤解されたかも…?
「美佐?」
愛子が私を呼んだんだけど、行かなきゃ!
「ごめん!後で!」
私は、智美ちゃんを追いかけてた。


