君は私の太陽だ

「かなりの重傷ね!」

愛子はため息をつく。


私は、あれから愛子に電話をしたんだけど…。

涙声で、会話にならなくて一人暮らしをしている、
愛子の彼氏、誠先輩の家に呼ばれた。


武司君に、かず君と一緒に居るところを見られた事。


もしかしたら、抱きしめられてる時だって…。


誠先輩がしみじみと、


「男って、案外未練たらしいからなぁ…。」


そうなのかなぁ。

かず君のやり方は反則だと思う…。


「でも、これでかず君も美佐の事、吹っ切れたと思うよ!」


「そうだといーんだけど」


私は泣いた後で、鼻声になっていた。


「あと…。」


愛子は考えながら言った。


「あと?」


私は、そのつぎが聞きたくて身を乗り出していた。


「武司の事だけどさっ!」

急に愛子の顔が変わった。


この顔…!
説教モードの愛子だ。


私は自然と姿勢を直していた。

「武司の事、本気なの?
このままだと、美佐が駄目になるよ!
何かあるごとに泣いたり怒ったりして。
昼間、言った事分かってないじゃん」


「愛子…。」


「それに、かず君の気持ちも分かる気がする!
付き合ってたら、普通にキスするし!
なのに、一方的に駄目です?
さようなら、じゃあ…誰だって納得できないんじゃない?」


愛子の言う通りなのかな。


かず君と付き合ってる時。

私は、本当にかず君を見てなかったかもしれない。


私は、自分勝手だ。


だけど今は…。


武司君が頭から離れないんだ。

「愛子の言う通り!私は、自分勝手だね。
武司君の事、自分でもびっくりしてる。
ここ数日の出来事なのに、まるで自分じゃないみたい…」


「恋は盲目っていうじゃん!美佐ちゃんはそのままでいいんじゃないかな?」

誠先輩が、強い口調で言った。

私も愛子も黙ってしまった…。


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