慣れない、授業。

久々に、頭が疲れた。

寝不足か?睡魔も襲ってきた。

「美佐ちゃん?」

私の肩を、ポンポンと叩く!

「はーい?」

かず君じゃないよね?

でも?女の子の声だ。

「美佐ちゃん?」

横に立って居たのは、一年生の時に一緒のクラスだった、安西智美(アンザイトモミ)ちゃんだ!

「智美ちゃんて、同じクラスだったの!」

目が覚めた。

智美ちゃんは、真ん丸の目をした子で、私と背丈が似ていて、先生もよく私たちを間違えたりしていた。

「美佐ちゃんと、一緒で安心したよっ」

智美ちゃんは、笑うとえくぼがくっきり見えて可愛いんだ!
男子にも、よくモテる!

分かる気がするなぁ!

智美ちゃんの笑顔は最高。


「愛子ちゃんは隣のクラスだよね!」

今までの憂鬱だったのに、この笑顔でスッキリになった。


「美佐ちゃんは、かず君と付き合ってるの?」

突然の質問!


動揺を隠せない。


「いきなり、こんな質問して、ごめんね!」


智美ちゃんの頬が赤くなるのが分かった。

あっ、好きなのかなー!?

かず君の事。


「私たちもう…付き合ってないんだぁ!」

「もう?」


不安げに、智美ちゃんは私を見る。

ちゃんと、説明しなきゃね!

私は、智美ちゃんの腕を引っ張ってとりあえず、教室から廊下に出た。

誰が聞いてるか分からないし。
教室には、当の本人がいる訳だし。


「あのね!別れたんだよね!だから、今はなんでもないんだぁ」


なんでもない?


「そうなんだぁ!」


そして、


「じゃあ!頑張らなきゃなっ。」


キャー!

可愛いんだから。

智美ちゃんは、恋する乙女になっていた。

大丈夫だよ!智美ちゃん!

言ってあげたかったんだけど…。


昼間の愛子の言葉が、ひっかかって、私は黙って笑みを浮かべるしかなかった!


「未練あるらしいよ!」


みんなの、恋が上手くいきますよーにって、思う事しか出来ない。


武司君とは、朝の通勤以来しゃべってないや。


話しがしたいんですけど!

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