女性に合わせて俺達も5つ目の駅で下車する。そして、そのまま尾行。瑠衣が一緒でなければ、ストーカーと大差がない。

女性は駅からほど近い雑居ビルの1階にある、携帯ショップに入って行った。どうやら、このショップの店員で間違いなさそうだ。

「どうする?」
「どうするって、オープンしたら突撃するしかないんじゃない?」
「確かに・・・」
当然の様に俺が突撃するのだろうと、仕方なく覚悟を決める。店が見える場所にあったコンビニで、開店時間までヒマを潰す事にした。


何分くらい経ったのか、週刊マンガを読みふけっている俺の脇腹にスマートフォンが突き刺さった。

「ウゲッ」
「開店するわよ」
瑠衣が外を指差しながら、更にスマートフォンでガシガシする。
「止めろ。それ、マジでイテえよ」

ニヤリと笑う瑠衣にチョップし、俺達は携帯ショップに向かった。


ガラス張りの店内を覗き込むと、一番左側の受付にあの女性が座っていた。

行くしかない。
悪霊に取り憑かれている人を、分かっていて見過ごす訳にはいかない。