金属の衝撃音と同時に、破砕音が鳴り響く。
そして、アレの半分になった頭部が、俺の目の前に転がった。

一体何が起きたのか?
訳が分からず、動きを止めたアレを見上げる。すると、その背後に別の人影が。

「ハア、ハア・・・な、何とか間に合ったみたいね」
息を切らせながらそこに立っていたのは、金属バットを握った瑠衣だった。

「る、瑠衣・・・」
助けに来てくれたのか?
瑠衣は呼吸を整えると目の前の残骸を蹴り飛ばし、俺の元に歩み寄って来た。そして金属バットを床に置き、フーっと深く息を吐く。

感動の再会と思った瞬間、瑠衣の拳が俺の顔面にヒットした。
「とりあえず、殴るね」
「つか、もう殴ってるだろ!!マジで、イテぇよ」
「雅治!!」
頬をさする俺に、瑠衣の鋭い声が刺さる。瑠衣の方を向くと、真剣な表情で睨んでいた。

「ここはダメだって言ったじゃん。何で言う事を聞かないの?前回は、たまたま、運が良かっただけだって。あと1分遅れたら、マジで死んでたんだよ!!」

改めて瑠衣を見ると髪はボサボサで、ピンクのジャージにカエルがプリントされたTシャツという完全部屋着姿だった。俺が電話を切った後、そのまま急いで家を飛び出しだに違いない。

「ごめん」と、素直に頭を下げた。