私が笑わくなった理由。

高校1年生の春休みが終わり、高校2年生が始まった新学期

私は神崎紅莉(かんざき あかり)

中学校までは普通に笑えていて友達に囲まれていて

大切な彼氏がいた、でもあの日あの時の出来事があってから

私は一切笑わず人と関わることもやめてしまった

もしもあの時私がかわっていれば

〝準平〟はきっと…



~2年前~

中学3年最後の春休み

中学の卒業式も終わり、高校も無事に決まった

1時半頃私は彼と公園で話していた

「今度さぁー…って準平、聞いてる??」

軽くほっぺたをつついてみた

「なんだよ、紅莉聞いてるってば」

笑いながらつつき返してきた彼

彼は水原準平(みずはら じゅんぺい)

中学校では有名で告白なんて毎日のこと

でも、誰が告白しても断り続けていた

しかし、中学2年の春に私は準平に告白された、そして返事はOKした

それから準平に彼女が出来たことはあっという間に学校中に広まった

毎日のようにメールや登下校をしていたから、誰もが羨む理想のカップルになっていた

でも、入る高校が違うので準平と毎日のように春休みを過ごしていた

「ぁあ~、ねみーぃ…。ちょっと寝るわ!」

なんて言った矢先に私の膝に寝転んできた

笑いながら彼の髪をなでていたら

「なぁ。紅莉」

「なに?」

私は撫でる手を止めて彼の真剣な眼差しにドキっとした

「この先もずっと一緒にいような。」

「うん。当たり前でしょ?」

私と彼はキスを交わした

「おやすみ」

彼は少しの間寝ていた

数時間が経ち、膝の重みがなくなったので目を開いた

「おはよ」

目の前に満面の笑みで彼が立っていた、どうやら寝てたらしい

「わぁ!お、おはよう、よく寝れた?」

「まぁな、お前の寝言で起きた」

笑いながら話す彼、顔が熱くなるのが分かった

「ぇえ?!嘘!!!恥ずかしい…」

なんて照れて顔を隠していたら

「なーんてな、ばーか」

ほっぺたをプニっと抓りながら笑っていた

「もぅ、準平のばかぁ!!!」

むぅ、っとした表情で彼から顔を背けた

「ごめんって、な?」

そう言って彼が猫みたいな顔をして覗いて来るから

照れ隠しに押しのけながら

「わかったよ、許すっ」と言った

それから彼とお互いの高校のこと

中学校の思い出話をしてたらあっという間に時間は過ぎてしまった


そんなある日私は彼の家に遊びにった

彼と話をして、アルバムを見たりもした

彼と過ごす時間だけは本当にあっという間で

いつまでも一緒にいたいと思っていた

いつものように「また来るね、バイバイ」と交わして家に帰った

帰るといつものようにメールが入っていた

こんな、お互いを愛し合って

大切にし合って、繋がり合って、支え合って

準平以上に愛せる人なんていない。

ずっと一緒にいたいって思ってたのに、なのに…


次の日の朝

7時頃、電話が来た

画面には水原準平と出ていた

この時間にかけてくるのは珍しかったが、電話に出た

「もしもし、準平?おはよ、どーしたの?」
「も、もしもし?!紅莉ちゃん?!」

その電話をかけてきたのは準平じゃなくて…

「準平のお母さん…」だった