私達は、桐山と合流し、おじい様が貸しきりにしたショッピングモールへと向かった。

「改めて自己紹介させていただきます。俺は、桐生春斗です。
よろしくお願いします。」

「私は、竹園香澄と申します。よろしくお願い申し上げます。」

お互い自己紹介してると目的地へと着いた。

「お嬢様、桐生様、目的地へと到着いたしました。」

「ありがとう。」

「ありがとう、桐山さん。」

「いえ。何分後にお迎えに上がりましょうか?」

「一時間後にここで」

「かしこまりました。」

「では、春斗さん行きましょう。」

私がそう声を掛けると、春斗は歩き出した。

私達が中に入ると桐山は下げていた頭を上げ、静かに走り出した。

「桐生さん、お話があります。」

「なんでしょうか?」

「桐生さん、竹園さんというお呼びは固いのでお互いに春斗、香澄とお呼びいたしませんか?」

「良いですよ。じゃあ、僕からもお話があります。」

「なんでしょうか?」

「敬語は堅苦しいので敬語は無しに致しませんか?」

「ええ。」

「じゃあ、今から。」

「わかった。」

私はこのとき胸が締め付けられる気持ちに不思議となった。

そんなことに気付きもせず、春斗はドンドン前へ進んで行った。

「春斗~待ってよ~」


「ごめん、ごめん。おいで、香澄」

春斗はそう言いながら左手を差し出してきた。

「ん?」

「手・・・繋ぎたいんだけどダメ?」

「いいよ。はい。」

私は照れながらも、春斗に右手を差し出した。

そのときにはっきりと自分の気持ちに気付いた。

”私は春斗が好き”

「ねぇ、春斗はいつから私と結婚することを知ってたの?」

「中学校のときにね。たまたま大広間の前を通ったら話が聞こえてさ。」

「そうだったんだ。いやじゃなかったの?」

「嫌なわけ無いでしょ。俺は、香澄のことが好きなんだからさ」

「え?実は、私も好きだよ。」