実は、彼女はご主人様でした。

真人の様々な想いが脳裏に飛び交う。
これが真実だと言われることも拒否したいが、この映像に願望が含まれていると言われることも拒否したい。



「桜雪、これは…どう捉えたらいいわけ?」

「……これは…父の願望が含まれている」



そう言われることは分かっていたはずなのに、一気に何とも言えない苦しい思いが溢れてくる。

痛む胸を押さえ、真人は父親を見続ける。
 
父親は再現された映像を唖然と見ていたが、やがて何を思ったのか、首を縦に振りだした。



「あぁ、そうそう。そうだった。私は、これをする予定だったんだ」



父親の呟きに、真人は驚愕する。

予定、父親は確かにそう言った。
これは願望ではなく、行動予定は確定だったと言うことだ。



「現実は全部違ったがな」

「………うだ…」

「お前は私の血肉を売るつもりだったんだよな。だから私を殺すつもりだった。そうしてお前は私を売り大金を手に入れることばかり考えていたんだ」

「……そう…だ。あぁ、そうだった。なのに…なのにぃっ!!」



先程までニヤけていた表情が一気に鬼の形相に変わる。
声も掠れ、一層低くなった声で響かせる。