実は、彼女はご主人様でした。

真人は時が止まったかのような感覚に陥った。


卑怯だ。


また好意のボルテージが上がってしまった。


動けないでいる真人に、桜雪はまたしても笑顔を向ける。



「チャイム、鳴っちゃうよ」

「……あ、そうだね…」



当然その後の授業は、心ここにあらずの状態で、隣にいる桜雪に心をときめかせていた。


どうすればいい。

 
もう、これは告白をするしかないのか。


だけど、これまでの男は皆玉砕している。

異性に関心がないという噂だってある。

衝動に駆られて自分自身の想いを告げたとしても、同じように玉砕することは目に見えている。


だからと言ってこのままでいいのか、精神的に苦痛過ぎる。



「……はぁ…」



思わず漏らすため息。