実は、彼女はご主人様でした。

「ははは。そうだな。確かに…私の中では真人は前の太郎のままなんだが…」

「……そう…ですか…」



それだけ前世での関係が深かったのか、それともただ桜雪の中で、犬は犬なのか、どちらにしても、桜雪の言葉は真人の心に深く突き刺さる。

どんなに言葉を交わすことができて、目線をいつでも合わせられる距離にいても“犬”の立場から解放されない。



「けど、真人の力は頼りにしてる」

「………」

「その力がなければ、両親の黒い部分を無くすことは出来ない」

「そっか…」

「あぁ。そして、後少しでその時が来る」



終わりの時が近い言葉が桜雪の口から語られた。


真人は突然知らされたことに驚き、思わず椅子から立ち上がった。