実は、彼女はご主人様でした。

机に頬杖をつき、桜雪は溜め息をついていた。


先程から溜め息の場面しか見ていない気もするが、それだけ気が重い、面倒なことなのだろう。


真人は桜雪の肩をつつく。
ちょっとした感覚に桜雪は体をビクつかせながら真人へ視線を移す。




「何だ?くすぐったいぞ」

「あのさ、昔は犬だったかもしれないけど、俺、今は人間なんだし、もっと頼ってもらってもいいけど」



桜雪を見つめ、サラリと恥ずかしい言葉を口にした真人は、数分後、顔を真っ赤にさせて俯いた。


一人で問題に立ち向かっているように感じる。


前世の時に出来なかったことが今は出来る。
なのに、桜雪はあまり真人を頼ろうとはしない。


どことなく前の関係から抜け出せていない気がしていた。