実は、彼女はご主人様でした。

「俺と恋人同士と知っていて、それでも告白する人もいるし、中には告白できない、しても仕様がないと思って行動しないまま想いを心に貯める人だって出てくる。今回の女子生徒の想い人も貯めた人だったんだろうね。視線はいつも桜雪。好きだとアピールしても気付いてもらえない、それどころか、邪魔者扱いされる始末。そして、募り募った想いが爆発して桜雪に八つ当たりしたってことだろうね。男子生徒の方は今のところまだみたいだけど」



真人の説明を受け、桜雪は深いため息と共に首を縦に振っていた。


前にあった男子生徒の件と、今回の女子生徒の件が、それで納得がいく。




「なるほど。そういうことか」

「でもさ、両親のことといい、俺の知らない2度の件といい、どうやって解決したの?」

「両親のこと?」

「両親の抑制だよ。女子生徒に至っては、呼び出しからの解放」

「あぁ、別に。彼らの既視感を再現してあげただけだ」

「それだけ?」

「それだけだ。ただ、私は相手がどんな既視感を見ているのかは分からない。見えないからな。だから、かなりの賭けだ。…特に両親に至っては…」