実は、彼女はご主人様でした。

「今日、結構イラついてた?」

「そうだな。しかし、最近女子からの攻撃が多い」

「多い、って初めてじゃないの?」

「あぁ、3度目だ」



付き合っているとは言え、常に行動を共にしているわけではない。

今日は真人の目に映る範囲で行われたことだったから分かっただけのことだ。真人が教室内にいない時や、一緒に帰らなかった日などの桜雪の行動は正直に言うと分からない。


 
真人が知らない2度の呼び出しはその時のものだろう。



「その時も、今日あったことと同じ?」

「そうだな。しかし、桜雪は男に人気だな。普通に過ごしているだけなのに、女子には睨まれるばかりだ。老若男女問わず殺意に追われることがないだけマシだが、これはこれで面倒だな」

「そうだな…」

「真人と恋人同士と言うことはもう周知のはずなのに」

「募り募る、ってこともあるんじゃない?」

「なんだ、それは」



面倒臭そうに眉間に皺を寄せた桜雪が、真人に答えを求めた。