実は、彼女はご主人様でした。

目を泳がせ、声を出すのに精いっぱいの女子生徒に気付いた他の女子生徒が会話の内容を聞くためにビジョンの当人へ視線を向けた。



「これはね、あなたの既視感。あれ、あなたの願望でしょ、分かりやすく言えば。つまり、あなたは広田先輩のことを好きなだけで、実際は付き合ったことなかったんでしょ?」

「…あ…あ…いや…」

「写真すら持っていないのね」

「いや…やめ…て…」

「それでよく私に八つ当たりすることができますね。あ、そっか。当たらなきゃやってられなかったのかしら?」



桜雪の言葉を受ける度に、女子生徒は現実を突き付けられているようで、額には大量の汗が流れていた。


桜雪も多少は怒っていたのか、言葉に容赦がない。



「はなから相手になんかされてないじゃない。ある意味、真人の言葉をよく考えた方がいいですね」

「やめてぇぇぇぇぇっ!」