「うわっ!」



叫んだのは抱きしめた真人本人。
桜雪を見て衝動的に動いてしまった結果だった。



「なぜ真人が驚くのだ?」

「い、いや、すみません。その…何と言うか、可愛かったからつい…これが男の本能なのかもしれません…」

「そうか。お前も人となった今、大変だな…」



両想いの男女の会話とは思えない内容。


近づいたはずなのに、どこか余所余所しい。

本当であって、本当でない桜雪と真人の関係はこれからだと言うことを実感したようだった。


それからまた時が経ち、二人の関係が当たり前だと周りに定着し始めた頃、桜雪が女子生徒に呼び出されるようになった。