実は、彼女はご主人様でした。

重い体を起こし、落ち着いた雰囲気のある服に着替えた。

動くたびに上下していた寝癖も整え、手際良く準備を終えると、家を出て待ち合わせ場所である桜雪の自宅に向かう。
 

当然、初めて行く場所であり、地図も桜雪が送ってきたマップサイトの画面で確かめている。迷うかと多少の焦りはあったものの、桜雪の自宅はバスで20分程で、道も分かりやすく、すぐにたどり着くことが出来た。


レンガ造りの家に、洋風なフェンス、庭は綺麗に整備されており、花壇には色とりどりの花が咲いている。あまりにも完璧に整えられた庭は、手入れを怠っていないのが客観的に見てもよく分かる程だった。



その門の前に桜雪は白いゆるシャツに、明るい系のジーンズを合わせ、髪をラフにまとめて恥ずかしそうに立っている。



「お待たせしました」

「本当だ。待ったぞ。結構恥ずかしいものなのだな、家の前で人を待つことは」



人を待つことがであって、真人が早く来ないか、恥ずかしげに待っていたのではないと言われたようで、真人は肩を落とした。


そわそわとしていたのは、近所の目が恥ずかしいから、と言うことだろう。