実は、彼女はご主人様でした。

「も、もしもし!!」

「何をやっているのだ」

「ご、ごめん!まさか、もう昼だとは…」

「何をやっていたのだ?」

「寝てた…」

「はぁ?まぁ、いい。待ち合わせまでは後1時間ある。朝から連絡をほったらかしにされたのは気にしないことにする」
 


最後の言葉は案外気にしているからこそのものだと、真人は思った。



「すみません」

「じゃ、待ち合わせには絶対に遅れるな。両親は揃っている」

「あ、あぁ…はい…」



言うだけ言うと桜雪は電話を切ってしまった。突然両親を紹介すると言われ、気付けば当日になっていた真人にとって、今の状況は、戸惑い、不安、驚き、そして、緊張。どれもいい感情ではない。


しかも、言った当の本人は、緊張の欠片もなく、どっしりと構えている。


いや、構えていると言うより、気にしてない。



「はぁ…溜め息出るわ…ホント」