実は、彼女はご主人様でした。

「な、何してんの…桜雪…今、何を食べた…?」

「人間の黒い部分だ」

「黒い部分?」

「そう。簡単に言えば、負の感情というものだ。お前は他人の既視感を見ることができて、私はそれを再現することができる。既視感とは一度も体験したことないが、すでに体験したことのように感じることだ。それがいいことか、悪いことかは人によっては違う。だが、明らかに真人を見る目が違ったからな、これはまさかと思ってやってみた」

「色々突っ込みたいこと満載なんだけど…一個ずつ」

「何だ?」

「俺を見る目、違った?」

「あぁ、全然だ。何というか、何故ここにいる、と言う感じだった」

「……へぇ…」



桜雪の隣にいる影響はそれほど凄いと言うことだろう。



「じゃ、次。何故人の既視感を見て再現する必要がある?」

「それは簡単に負の感情を出すため。私の御断りの現場は配慮しているものの、意外に目撃者は多い。その内の一人だろう。私は、この男子生徒から告白を受けたことはないからな。その現場を自分に当てはめて考えたことがあるのだろう。そんな矢先に、ごく普通で平凡な生徒である真人が告白成功だと聞けば、それを考えることすらムダになる。そして心に封印したその世界を呼び起こせば、発狂もしたくなるわけだ…な、簡単に負の感情を手に入れることができるだろう」



満面の笑みを真人は受ける。