「俺、よく分からないよ?」
「それは分かっている…仕方のないことだ。まぁ、だから、お前と私にはそう言った関係がある。よって、お前が私のことを好きな事は当然だと言うことだ。そして、私もお前のことは嫌いじゃない。これもまた当然だ。前世の時を共にしてきたのだ。これからも同じ時を過ごすぞ」
「……はい…。あの…その口調はどうにかならないの?」
「口調…口調とは?」
「そのしゃべり方のこと。いつもと全然違うでしょ」
「あぁ、このことか。この話し方はお前との間だけで交わされる、言わばトクベツだ」
再びイタズラな笑顔が真人に向けられる。
ズルイ。
卑怯だ。
その可愛い仕草、表情、対応は、いつもの桜雪そのものだ。
いくら特別と言っても、明らかに優位に立たれている状況で言われても全く嬉しくはない。それに、付き合うことになったとしても桜雪が本当に真人を好きなのか疑問だ。ただ前世で同じ時を過ごしてきた飼い主と犬との関係だ。当然それ以上があるわけがない。
なのに、一瞬で桜雪を許してしまう。
真人は自分自身に呆れ、溜め息をついた。
「わかりました」
「それは分かっている…仕方のないことだ。まぁ、だから、お前と私にはそう言った関係がある。よって、お前が私のことを好きな事は当然だと言うことだ。そして、私もお前のことは嫌いじゃない。これもまた当然だ。前世の時を共にしてきたのだ。これからも同じ時を過ごすぞ」
「……はい…。あの…その口調はどうにかならないの?」
「口調…口調とは?」
「そのしゃべり方のこと。いつもと全然違うでしょ」
「あぁ、このことか。この話し方はお前との間だけで交わされる、言わばトクベツだ」
再びイタズラな笑顔が真人に向けられる。
ズルイ。
卑怯だ。
その可愛い仕草、表情、対応は、いつもの桜雪そのものだ。
いくら特別と言っても、明らかに優位に立たれている状況で言われても全く嬉しくはない。それに、付き合うことになったとしても桜雪が本当に真人を好きなのか疑問だ。ただ前世で同じ時を過ごしてきた飼い主と犬との関係だ。当然それ以上があるわけがない。
なのに、一瞬で桜雪を許してしまう。
真人は自分自身に呆れ、溜め息をついた。
「わかりました」


