実は、彼女はご主人様でした。

「……恋…」

「その…えっと…真人…聞いてくれるか?」

「?分かった」


「好きだ」



上目遣いに、赤い頬。震える手に、真剣な声。

む理由はどこにもない。

真人は桜雪に恋をしていた。

そして、その想いは桜雪も同じこと。

これが運命だとは思わない。


なぜなら、前世は人間とペットという関係だったから。どんなに信頼して、互いを守り、寄り添っていたとしても、その関係は変わらないだろう。


けれど、これから恋人同士として時間を過ごして行き、絆を強くしていきたい。


真人は桜雪を静かに抱きしめた。
その真人の胸に、桜雪は顔を埋める。



「以前にはなかった想いだ。だけど、真人の側で感じるこの想いは心地いい…」

「不思議だね、俺もだよ」

「私はこれからどうなるか分からない。だけど、この体で生きていくと決めた以上は諦めることはしたくない。真人、協力してくれるか?」

「俺は言ったはずだよ、協力するって」

「そうか。ありがとう」



桜雪はお礼を言うと、真人から離れ、部屋の扉に手を掛けた。