実は、彼女はご主人様でした。

「私、何か悪いことでも…?」

「……いや、いい。俺が悪かった」

「いえ…」

「分からないと思ったらすぐ聞くよ」

「はい、そうしてください」

「じゃ、さっそくいいかな」

「どうぞ」

「君を助けるために体に入り込んだ桜雪は、もういないの?」

「いえ、まだいます。入ったものの、どうやって出ればいいのか分からないみたいです。結果的に留まる形になってます」

「そう、なのか…。あぁ、そうだ。話は変わるけど、この映像は俺の既視感を君の力によって都合よく変えた世界のはずなんだけど、どうして今君と話ができてるの?」

「私…と言うよりも、私の前世?ですか?の力ですから、そんなに不思議じゃないはずですが…。ただ私は、力によってできたあなたに通じる道を通ってきただけです」



なるほど。


相手に力を使うと言うことは、ある意味、その相手と繋がるということか。それで道が通じ、桜雪の中にいた本来の桜雪の行き来が可能になったと言うことか。


それなら、今のチャンスが消える前に出来る限りの会話をするしかない。