実は、彼女はご主人様でした。

付き合うと言うことがどういうことなのか分からない。


前世では犬と飼い主という関係だ。


それが同じ人間同士と言え、経験がない以上、どうしたらいいのか想像もつかない。

けれど、好きだと言われ嬉しく思う自分もいる。


あれだけの時を一緒に過ごしてきたんだ。
自分のことを好きな事は当然のことだ。

気付けば桜雪は大層な言葉と共に、告白を受けることになった。


受けた以上は恋人同士と言う立場にステップアップしたと言うことだが、いまいちピンと来ない。けれど、断る理由も思い浮かばず、桜雪は自身から出た言葉に疑問を抱いた。


真人は既視感を見ることができる。
力の自覚もある。


それは太郎も同じことだった。

だが、太郎は言葉を発することができず、その力を存分に発揮することは叶わなかった。

それから何度生まれ変わっても、力を持っていることに気付かなかったり、使うことができなかったりと出番がなかった。


今人間として生まれて来た真人は、自身の力に気付き、使うと言うよりも力が勝手に動いているようだった。
この力を借り、桜雪は力を蓄えようとしていたため、常に近くに入れる状態は願ったりかなったりだ。