実は、彼女はご主人様でした。

それが一瞬にして映像が変わり、先ほどまで動いていた桜雪が無残な姿で横たわっている。

その懐で怪我を負いながらも必死に温めようと側による太郎の姿。力なく姿も変わり果てているにも関わらず、血肉を求めやってくる人々を太郎は必死に威嚇していた。

傷を負い、体力回復もままならないと言うのに、威嚇をして更に傷が増えていく日々。それでも太郎は桜雪を守り続けた。



「今の俺でも同じ状況に陥ることがあったとしても、同じことをするだろうな…」



そう呟き、自覚した瞬間に真人は太郎と同じ魂を持っていることを実感した。


太郎は桜雪のことを大切に思っており、それは桜雪も同じこと。
 
桜雪は命を掛けて太郎を守ってくれた。

自分が傷ついていたとしても、命があり動ける分、太郎は必死に桜雪を守ることは当然のことと思っていた。


その姿を見ている魂だけの姿になった桜雪。


何度も何度も頭を撫でるが、太郎はそのことに気付いていない。

次の日もまた次の日も太郎は精一杯の力を出し、桜雪を守ろうとする。けれども、桜雪の体はついに躯となってしまった。


絶望に囚われる太郎。