実は、彼女はご主人様でした。

目の前は真っ暗でも、真人はこれがどういう状況なのか予想できた。

これは、桜雪がビジョンを都合のいいように変え、負の感情を抜き取る姿。

自分自身に起きている危機を真人は感じていた。



「ごめんね。真人の負の感情がどのようなものなのかは分からないけど、これは桜雪の目的でもあるの。ちょっとだけ付き合って」

「さ…ゆきの…目…的…?」



意識が遠のいていく中、真人は自身の黒い部分が体から抜けていくのを感じた。



桜雪の目的。



一体今度はどの桜雪のことを言っているのか…。
これから何が起こるのか分からない状況で、真人はふと心で笑っていた。

そして目を閉じ、体を床に預けた。


途端に真人自身が暗闇の世界に移動する。

これは夢の世界というものなのか。

それにしては自分自身が動いている感覚がやけにリアルだ。

夢の世界を自由に行き来できるとしたら、夢の中を散歩しているような感じだ。