実は、彼女はご主人様でした。

「なぜ…ねぇ…」

「まったく…今初めて疑問に思ったって感じね。ホント…あなたって忠実なペットだったのね…」

「……それ、関係ある?」

「いや、別に。ただ、本当にご主人様である桜雪を本当に信頼していたんだな、と思っただけよ。しかも、現世にまでその忠実さは魂に刻まれているとは…まぁ、運命、なのかしらね」
 


多少ムカつきながらも、なぜか桜雪に反論できない自分がいる。
真人は自分自身の行動力のなさに呆れていた。

すると、真人の頬を何かがかすった。

飛んできた方向には桜雪がいる。
その桜雪は満面の笑みで、何かを投げた後のポーズのまま真人を見ている。


何をしているのか訳が分からないまま、真人は何かが投げられた方向へ足を運び、床に落ちているペンを拾った。そして、何も言わずにそれを桜雪に渡した。

ペンを手にした桜雪は真人の行動に吹き出す。



「何がおかしいわけ?」

「いや、ごめん。シチュエーション的には落ちたものを拾ってくれた、と言うことなんだけど…やっぱり…犬だなぁ…と思って」

「………!!」