「そんなことは置いといて、あんた何を叫んでたのよ?」



「あ、やっぱ聞こえてた?」



「そりゃ、あんだけでかい声出したらね」



姉貴は呆れながら言った。



「で、何があったの?なんかうれしそうだったけど?」



ニヤニヤしながらオレに近寄ってきた。



なんだこの姉貴。



きも!



と、とりあえず今は何もしゃべらないでおこう。



オレの身の安全の為に。



「んー、わかった!」



は?!



「好きな子のことだ!」



どうだ!と言わんばかりのドヤ顔で、オレを指指してきた。



ば、ばれた…!



ここで否定したらまたうるせぇし、素直に降参しとくか。



「そーだよ。そのとーり。てか、人を指差すな!」



ぺっと姉貴の手を払った。



…うわぁ、すげーきもい顔してる人いるんですけど。



何この鼻のした伸ばしきってニヤニヤしてるおっさん…女は。



「そーかそーか。ついにお前にも好きな子ができたか」



めんどくせぇ。



一刻も早くこいつから逃げてぇ。



なんか逃げる口実……なんかあるわけねぇか…。



はぁ…。



「あれ、手紙じゃん」



あ、やっべ!



いきなりだったから隠すの忘れてた!



「ふむふむ。…きゃー!!!」



「うっせぇ!!」



手紙を読んで発狂した姉貴にすぐさま怒鳴った。



…が、オレが怒鳴ったことなど姉貴には通用するはずもなく、オレは抵抗しないことにした。