「じ、実はね…」



__________


「バッカじゃないの?」



ガーン。



あたしは諦めようとしている理由をすべて話した。



それを聞いて出た言葉が「バカ」…。



「そんなこと言われても…」



「あのねー」



お姉ちゃんはそう言いながら、はぁっとため息をついた。



「恋っていうのは自由なの」



「自由?」



「そう、自由。好きになるのも自由」



そうなんだ。



「だから、あんたが諦める必要なんてないの」



「だ、だけど…」



「まだ好きなやつにぶつかってないんでしょ?」



「う、うん」



「諦めるなら、ぶつかってダメだったときにしなさい」



ぶつかってから…。



「うぅ…」



「げっ。何泣いてんのよ!」



だって、お姉ちゃんの言葉があまりにも心に響いて。



「うわぁぁぁん!おねーちゃーん」



「ちょっ、千夏?!」



「あたし、がんばるねっ。ぶつかる前に諦めるのはやめる!」



そうよ。



ぶつかってもないのに諦めるなんて。



なんてバカだったんだろう。



恋は自由、好きなるのも自由。



初恋なんだもん。



どうせ諦めるなら、当たって砕けろだ!