でも、オレはそんな理由でもうれしいと思ったり。



ギャルとかそういう感じのヤツはニガテなんだよなー。



なんか下心見え見えだし。



女のくせに。



しかも、香水の匂いがキツイ。



化粧だって厚いし、目とか真っ黒のやついるし。



周りのヤツらはそんなギャルのがいいって言う。



けど、オレはそんなのには興味ねぇ。



だって外見を塗り固めてるだけじゃねーか。



中身はドロドロに汚れてて、新しい男が現れるとすぐにそっちに行く。



ほとんどがそういうヤツだ。



そんなヤツらに比べて日野は可愛いと思う。



化粧なんてまったくしてないのに、キレイだ。



香水だってしてないはずなのに、甘い香りがして落ち着く。



そんな日野のことが好きになったんだ。



皆はそういうオレを地味専とか趣味悪いとか言うけど、そんなの関係ない。



いつも怖がりながらでも、がんばって話しかけてくる日野がいいと思ったんだ。



そんな事を1人で頭の中で語ってみる。



バカだろ、オレ。



…あ!



よろめいてる!



「っ!!」



アレ、絶対こけるだろ!



「きゃあっ!」



ほら!



とっさにオレは日野を片腕で支えた。



ふぅ。



ギリギリセーフ。



考えるよりも先に体が動くって、こういうことなんだな。



ひとまず安心だ。



よかった。



心配してなるべく近くにいて。