大きな門の扉は閉まり、途端に静寂が広がる。



シン…とした空間に、またハラハラと雪が舞う。



これから、どうしようかとボーッと立ち尽くす。
ハッと我に返って、私はやるべきことを思い出す。



「……とりあえず、マグノアを探して……」



まずはマグノアに会おう。
それから……




………ん?
何か音が聞こえる。
何かが、走ってくるような……


まさか………





「…もしかして……もう15分たった?」



ケイスさんは、食糧を準備してから門の中に戻る。そしてその15分後、食糧を取りに狼がやってくると言っていた。



これは……。

恐らく狼が走ってくる音だ…。




迷っていたら、多分狼に鉢合わせする。
食糧を取りにきた狼に会えば、次こそは食べられてしまう!



や、やばい…!
これはやばい!!





ここは…!
最終手段だっ!




「マ……マグノアーーー!!!!!!!!」




「何かあれば私を呼べ」と言われていたから、私はソッコーでマグノアの名を叫んだ。




すると、途端に狼の遠吠えが聞こえた。
しかも沢山の。



え、な…何これ。
……こ、怖すぎる。