「森の外には、オオカミがいるでしょう?そのオオカミの食糧を、私は決まった時間に魔法で出すのが仕事なの。」




「へぇ……」




お姉さんとパットの話によると、狼は食糧が足りないと人を襲う可能性が高いらしい。


その食糧を魔法で狼の分を準備して、国民を危険から身を守っている。




食糧の準備の時間は決まっていて、時間になったらお姉さんが食糧を塀の外に置いておく。


その15分後より、狼が食糧を取りにくる。





「…今からが食糧の時間なのよ。オオカミが来るのは15分後だけれど……まさにそんなタイミングで、あなたが森に出るとなると。多分オオカミに出会ってしまうわ。」




お姉さんは、私が食糧を取りにきた狼に遭遇してしまうと心配してくれていたみたい。


…案外、優しいのかも。





でも。




「お姉さん、心配ありがとうございます。でも…大丈夫です。」



「え…?」




私には、マグノアがいるし。
何かあれば、来てくれるって言ってた。

まぁ、大丈夫でしょ。




「本当に大丈夫なの…?」



「ハイ!」



お姉さんは私が大丈夫だと言っても、納得のいかない顔をしていたけど。
分かってくれたみたいだった。