「…ったく、何で娘くらいの年齢のお前に、呼び捨てでタメ口にされなきゃいけないんだ…」
「はぁ……すいません。」
なんか見た目とかが親戚のおじさんみたいなんだよねー。
パットは怒ってたみたいだけど、渋々謝ったらだんだん落ち着いてきた。
私が何故、門の前にやってきたか、気になったらしい。
「…お前、門の外に出るのか?」
「えっ?うん。」
「け!い!ご!!」
敬語を使えとキレてくるパット。
なかなか面倒臭いな……。
「あー……そうですけど?」
「もう王子への用事は終わったのか?」
「うん。また来るから、その時はよろしく。」
「よろしく〜!?お願いしますだろうが!!!!」
パットはまた怒り出した。
…でも、二人でプッと吹き出した。
「「あはははっ!」」
面白そうに笑うパットの顔を見て、何だか新鮮な気分だった。
こんな風に笑う人、この国では初めて見たかもしれない。
一番親近感がわいた。
パットは、左手の人差し指で門の扉を指差した。
指をクイ、と動かすと音を立てながら扉が開いた。
…魔法で門の扉を開けてたんだ。



