そのまま歩いていくと、町からは少しずつ離れて、何もない一本道になった。
このまま歩いて行けば、門に着く。
道のそばには針葉樹が沢山並ぶ。
花はまったく咲いていなかった。
時々静かに、時々激しく雪が舞う。
音はなく、ただ静かに足音だけが聞こえる。
「………。」
私は、そのまま足を進めた。
この国に入る時に通った、大きな門が見えてきた。
どんどん近付いていくと、あの門番さんがいるのが見えてきた。
えーと……確か、門番さんをパットってエルノは呼んでいたよね。
門まであと少しと近づいた時、門番さんは私に気づいた。
「…あっ!お前……!」
「…あ。…パット。」
「はぁー!?お前…なに、人のこと呼び捨てにしてんだ!」
大声を出すから、ビックリした。…やば、エルノみたいに呼び捨てにしてしまった。
パットは私に呼び捨てにされ、ぷんぷんと怒り出した。
「あー、えっと…ごめんね。」
「今の、タメ口だからな?」
……タメ口でも怒られた。
パットは結構、礼儀に厳しいらしい。



