私の中で浮かび上がった疑問。
この疑問の行き着く先には、何があるのか……?
私はエルノに、「おばあちゃんは本当は誰が魔法をかけたか知っていると思う」って言うべき?
でも、私自身は誰が魔法をかけたのかを知らない。
そもそも、何故おばあちゃんはエルノに、誰が魔法をかけたのか言っていないのか?
ただの言い忘れ?
それとも……意図として?
それが分からないと、エルノにこの話をしてしまっても良いか、判断がつかない。
「………、」
私が黙り込んだのを見て、心配になったのかエルノは「どうしたの?」と声をかけてきた。
「ううん、何でもない」
まだ、言うべきではない。
それが私の判断だった。
後々、それは正しい判断だったと言えた。



