話を聞いていた男の人は、今だニコニコしている。
…この人は私のこと、怪しんでないのかな?
そして男の人は、「あぁそうだった」と突然言い出した。
「すっかり忘れてたよ、パット!この女の子、僕のお客様だよ。」
「「えっ…?」」
そんながわけない。
さすがに門番さんも驚いたらしく、二人で仲良くハモってしまった。
門番さんは、すかさず男の人に言い返す。
「俺はそんなこと、何一つ聞いてないんですが?」
「ごめんねー、すっかり忘れてて今思い出したんだよ。だから、誰にも言ってないんだ。」
門番さんは、私のことを睨みつつ、男の人の様子を伺っていた。
男の人は変わらずニコニコしている。
そして、門番さんはため息をついた。
私を見る目付きは変わらない。
納得はしていないものの、多分諦めたんだろう。
「全く…今度からちゃんと伝達していただきませんと、次からは門内には入れませんからね。」
「ありがとう〜パット!」
何だか、よく分からないうちに私を入れてくれることになったみたい。
良かった。
門番さんは渋々って感じだったけど、何とか雪の国に入れることになった!



