【完】ダンデライオン






「うわぁー……」




目の前にそびえ立つ門は、3メートルはあると思う。




塀の一部分が門になっていて、門は木で出来ている。
両開きするみたい。





塀も近くで見るととても高くて、外部のものを遮断しているかのよう。





何となく、入りにくい。
門番さんみたいな人もいないし。
誰かに声をかけて入った方が良いのかな?




「……どうしよ。」





この門を開けて勝手に入ってしまって良いものか、悩んだ。




その時、





「誰だ!?」
「ぎゃあっ!!」




突然、人の声が聞こえてつい、奇声をあげてしまった…。





「何だ?無礼なやつめ……ん?お前、見かけない顔だな。」





ふと声がした方を見ると、テレビのヨーロッパの歴史番組とかで見るような……
ザ・中世の鎧!って感じの服装をしたごっつい男の人が近づいてきた。





年齢は、40歳くらい。
髪は真っ黒で、ツンツンさせている。
体格はとても立派で、ちょっと毛深い感じですごく強そう。





…良かった、狼じゃなくて人間だ。
っていうか、どこから出てきたんだろう?





恐らくこの人が門番さんだろう。





その門番さんは私のことをすごく怪しんでる。
ガン見されてます……





「お前、見たことのない顔だな。門の外にいるし、この国の者ではないな!?」





そう言うなり、とてつもない剣幕で睨まれた。
……怖い。





この人は今、「門の外にいるし、この国の者ではない」って言った。





ということは、この国の人は、門の外には基本的に出ないのか……。





やっぱり、この塀は外界との隔たりでもあるんだな…。

とか、ちょっと推理していたら、黙り込んでいた私に門番さんは怒鳴りだした。






「おい!!聞いているのか!!返事しろ!!!!」





「は…っ!はひっ!」






突然の大声にさすがにビックリしてしまった。
うわーん、恐怖でろれつが回らなかったよー!