【完】ダンデライオン






私は、また歩きだした。
もう雪の国に着くとは言われたものの……雪で視界があまりハッキリしないからか、まだ何も見えない。






そういえば……



「マグノアが、人間と話せるのって…魔法なのかな?」





ふと疑問がわいてきて、今度会った時には聞いてみようと思った。




出会った瞬間は絶対に食べられると思ったけど、私を食べるどころか目的地まで連れてきてくれた狼。





案外、優しかった。





マグノアと、仲良くなれたら良いなぁ…なんて思ってたら、恥ずかしくなってきた。





恥ずかしさを隠すために早歩きで進んだ先には、大きな門が見えた。





国自体を大きな塀で覆っているみたい。
高さは……5メートルくらいかな?






塀の内側からは、ヨーロッパの観光番組とかで見たことのあるような見た目の建物が、いくつか見える。




この高さの塀があっても見えるということは、結構高さのある建物なんだろう。






その手前から高くそびえる真っ白い塀の上には、更に雪が積もっている。






ここが、雪の国か……。






門には門番がいるってマグノアは言ってた。
…とりあえずあそこまで行ってみよう。