「説明って、なに?何のこと?」
私がそう尋ねると、狼は足を止めた。
私に向かい合うようにして立つ。
しばらく降っていた雪はやんで、とても静かな空間だった。
『この世界に住むものは、永遠の命を得るんだ。』
「えいえん…?」
狼の言っていることが、いまいち理解出来ない。
永遠の命?どうして?
「えっ!何で!?何で永遠なの?死は存在しないの?」
『いや……それでも、死は存在する。』
「意味が分かんないんだけど……」
永遠の命があるのに、死は存在する。
それって矛盾してない?
『今は、分からなくても良い。お前はそれよりも、違うことを知らなければ…。』
「違うこと…?」
狼は、私と向き合うように立っているものの、私から視線をそらした。
『この世界では、魔法が使える。命が永遠なのは、その魔法の力だ。しかし…魔法は完全ではない。死が存在する…というのはそれが理由だ。』
魔法って、命を半永久にしたり出来るんだ…とか。
魔法って完全なものではないんだ……とか、ぼんやり思っていたら、狼の話しはまだ終わってはいなかった。
それは衝撃的な言葉だった。
『永遠の命がある。それが、この国に雪が降り続ける理由でもある。』
「え……?」



