ドアの向こうの異世界は、雪の降る森でした。





私が足を踏み入れて、おばあちゃんがドアを閉めた。
その瞬間、唯一の繋がりを持っていたドアはフッと消えて見えなくなった。







その森はとても静かで、見渡す限りの針葉樹林が広がっていた。
……周りに家らしきものが見えないんですけど。






おばあちゃんからは、「まっすぐあるいていけば雪の国が見える」と言われた。





雪の中を歩き出したものの、雪の国までどのくらいの距離なのかが分からない。



私にはココの土地勘もないから一気に不安になった。





…地図かなんか貰っとけば良かった…。
後悔、先に立たず。





ひとまず、歩いてみようと思ってサクサクと雪の中を歩き出す。





おばあちゃんから借りたローブと長靴は、魔法がかかっているかのように暖かい。
雪の中でも凍えることはなかった。





夜だから暗いんだろうと不安に思っていたけど、そんなことはなく、夕方くらいの明るさだった。





そういえばおばあちゃんは一年中白夜のような状態だと言っていた。



それにしても……。