時は流れて、この春に私は晴れて大学2年生となった。





もちろん、あの夏のことは今でも覚えている。




結局、あれから最寄り駅に着いたらママが駅で待っていて……
私はおばあちゃんの家に旅行に行っていたことになっていたらしい。




あの時引きずって行った大きなキャリーケースには、覚えのないお土産が沢山入っていた。




とりあえず周りと話を合わせなきゃいけなくて、それが思いのほか大変だったことを覚えてる。





その日を境に、私の知らない人がお母さんの実家のおばあちゃんになっていた。





多分、本当はあの人が私のおばあちゃんだったのを、魔法で操っていたんだろう……。





だけど、私にとってのおばあちゃんは……。





「春川さーん!」




突然先輩に名前を呼ばれてビックリする。




「あっ!ハイ!何ですか?」





私は今、大学で植物の勉強と研究をしている。




主にタンポポの研究で、「たんぽぽちゃんがタンポポを研究してるの?」なんてよくからかわれる……




将来の夢もあれからスグできて、植物のお医者さんになるのが私の夢。





いつか、魔法のように自分の手で植物を元気にしたい。
そのために、今は勉強中!