おばあちゃんは少し考えるようにして、私の質問に答えた。
「うーん、そうね…結論から言えば平気よ。たんぽぽちゃんが良いなら、行ってもらいたいくらいなの。」
行って、もらいたい……?
何かあるの?
「何で、そこまで…?」
おばあちゃんは、優しい笑顔で即答した。
「あなたは……私に似ているから」
似ている?
私が?おばあちゃんに??
「……ど、どこが?」
「ふふっ、なんか色々端折った質問ねぇ…」
おばあちゃんは苦笑いしている。
「それは…雪の国に、行ってみれば分かるかもね?……ねぇ、本当に行かない?」
どうしよう……不安はある。
でも、やっぱり…行ってみたい。
「…行ってみても、良いけど。」
「そう?それは良かった!」
おばあちゃんは本当に嬉しそうに笑った。その手には、先ほどから触れていた本があった。
それと、何やら白くて丸っこいもの。
「……あれ?おばあちゃん、それって防犯ブザーじゃない?」
「そうよ。雪の国での非常時にはコレを鳴らしてね。たんぽぽちゃんの助けになると思うわ!」
助けになる?防犯ブザーが??
…治安が悪いのかもしれないなぁ…。
見知らぬ土地のことを考えて不安になった。



