とりあえず、おばあちゃんが言ってる事情は分かった。
でも、それをどうして今私に話したんだろう?
「ねぇ…なんで、そんな話を私に……?それに、行ってみない?って……」
「うーん、それがね。たんぽぽちゃんに頼み事があってね。」
「頼みごと……?」
私が興味を持ったと思ったのか、おばあちゃんは嬉しそうな顔をした。
「そう!雪の国に持っていかなければいけない本があってね。
たんぽぽちゃんが魔法の世界に興味があるなら、持って行ってくれないかなぁって。」
手には、さっきまとめていた本。
洋書だと思っていたけど、その雪の国のものらしい…。
この本を返しに行くのを私に頼もう思って、さっきの質問に至った、ということか……。
でも、私には疑問があった。
「でもさ……その雪の国って異世界なんでしょ?どうやって行くの…?」
おばあちゃんは、キョトンとした後、笑顔になった。
「えっ?…ココから?」
おばあちゃんはニコニコしながら、どこにも繋がっていないハズのドアを引く。
……すると………。
ビュオオオオオオ---
かすかに開けたドアの隙間。
まだ何も見えないくらいにしか、ドアは開いていない。
だけど、その隙間から吹雪がガンガン入ってくる。
さすがに焦った。



