マグノアは、呆れながらも丁寧に説明をしてくれた。
『魔法が使えないお前が、魔法が使える。今まで持ってなかったものを、右手に持ってるだろ……?』
答えは教えてくれないけど、でも、私は右手に持っているものを見つめた。
「手鏡……?」
『……やっと気付いたな。』
マグノアは頷いた。
そもそも、最初から言ってくれれば良いのに。
私は、右手に持っている手鏡を見つめる。
お花の形をかたどった、可愛い手鏡。
じっと見つめると、太陽の光を反射して、手鏡のお花の色に深みが増したように見える。
「……この手鏡に魔力があって…私は魔法を使うことが出来るってことかな…?」
『……そういうことになるな。』
この手鏡をくれたのは、おばあちゃんだった。
……この手鏡を与えれば、私が魔法を使えるかもしれないことを、予感していたということなのかな…
「私が、魔法を………」
『それを与えても、魔法を使えるかどうかは人それぞれらしい。』
「え……?」
マグノアは、もう私からそっぽを向かずに、こっちを真剣な目で見ている。
『あの人が、そう言っていた。だから、私にテストをしてくれと。』
「そうなんだ……?」



