【完】ダンデライオン






「それって、左手の人差し指を動かすやつ?」




『あぁ、そうだ。あと、念じることが必要だ。』




………?念じる?
小枝よ、上がれー……とか?





「ってゆうか、何でそれを私に言うの?」




『……良いから。やってみろ。』




「え…?私が?」




私が、魔法をかけられるの…?
本当に……?



からかわれてるのかと思ったけど、マグノアにそんなそぶりはない。
至って真剣な顔をしている。





「や…やってみる、ね?」




マグノアは、黙ってコクリと頷いた。





右手に手鏡を持ち、左手の人差し指を足元の小枝に向けた。



そして、人差し指をクイと上に向けて、「上に上がれ…」と念じる。






そして、信じられないことが起こる。





「え……!?」







信じられない。



私は魔法が使えないのに……
小枝は、宙を浮いている。






『………なるほど。』




マグノアは、何かに納得したようだったけど。
私は何が何だかよく分からない。





「何が!?どうして私が魔法を使えるの!?」