【完】ダンデライオン







私は、昨日も通った森への抜け道に向かった。
お城はやっぱり広すぎて、またまた迷ったのでメイドさんに聞きまくりながらたどり着いた。




お城の真反対まで出て、抜け穴の前までやって来た。



今日は天気が良くて、この国に来てから初めて青空を見た。
普段は、曇ってることが多いみたい。




その分、抜け穴を通る時に地面に積もってる雪がちょっと溶けかけてて、服がドロドロのズルズルになりかけた。



でも、天気が良いから今日は雪は降らないのかもしれない。




少し空を眺めていたけど、そろそろマグノアを呼ぶことにした。




「マグノアー!」






私の声が響き渡る。






少し待っていると、やはり見えてくるシルエット。




もう、近くまで来なくても分かる。マグノアは、今日も来てくれた。





私の元まで、マグノアは走ってきた。





昨日、私を置いて勝手に立ち去ったくせに悪びれる様子もなく、マグノアは至っていつも通りだった。





『…今日は何の用だ?私は忙しい。』