【完】ダンデライオン







私はしばらくそのページを眺めていたけど、そっと本を閉じて、本棚にしまった。




文章も読めないし、エルノに頼んで読んでもらっても、図鑑にはたいしたことは書いてないだろうし。




「ふぅ……」





すっかり手持ちぶさたになってしまった。




さて、これからどうしようか……。
マグノアに、会いに行こうかな。


聞きたいこともまだ色々あるし。





そうと決まれば、エルノに一声かけてから、書庫を出て行こうと決める。




「エルノ」




エルノは集中していたみたいで真剣な顔で本を読んでいた。
私に声をかけられて、ふと顔を上げた。




「あぁ、どうしたの?」




「あのね、私…お城の探検に行こうと思うの。だから、一声かけようと思って。」




そこまで話すと、エルノはニコッと笑った。





「あぁ、そう…僕はまだここにいるから何かあったら呼んで。」




「うん。ありがと」




エルノはニコリと微笑んで、手をヒラリとあげた。




そして私は書庫を後にした。