「うーん……何か読めそうな本ないかなぁ……」
棚が並ぶ書庫で、適当な棚の前に歩いて行くと私はパラパラと本をめくった。
………イラストがない。
ので本棚に戻す。
を何度か繰り返した。
そして、次に私が手に取った本は……
「あ…植物の写真が載ってる!」
その本はめくってもめくっても、種類の違う植物の写真が載っていた。
カラーの写真の隣に小さく文字が書いてあるからきっと図鑑なんだと思う。
これなら分かりそうだとページをめくって見てみる。
最初は針葉樹の写真が多く、マツとかモミの木みたいな写真が載ってる。
後ろの方へとページを一気にめくると、花の写真が載っていた。
この国には咲かないであろう、ハイビスカスとかの写真もあった。
多分国外とか、異世界とかの写真もこの本には載っているんだろうと思った。
そして、パラパラとページをめくっているとあるページが目に付いた。
「………あ。」
そのページは、タンポポの花とヒマワリの花が載っていた。
そういえば、おばあちゃんは本でタンポポとヒマワリの花を見て、見てみたいと思って国を飛び出したって言っていた。
「おばあちゃんは……このページを…?」
花の写真は、何の変哲もないものだったけど、私はその写真を食い入るように見つめた。



